札幌市東区の医師が推薦する「はり専門」の鍼灸院

頚肩腕症候群・肩コリ

頚肩腕症候群(首・肩・背中・腕の症状)の鍼灸治療<改善報告集>

症例3 首を後ろに傾けた際の痛み

 
 

患者

女性 40代

来院

2017年7月

症状と来院理由

20歳頃から首、肩の重だるさを常に感じており、3ヶ月前から「うがいをしようとすると首スジに強い痛みを感じるようになった」
とのことだった。
 
以前にも、同じような痛みが現れたことがあったが、整骨院に行くと良くなっていた。
 
今回も改善されるだろうと一カ月ほど通院したが、うがいをする際の痛みは変わらず、当院を紹介され受診。

 

治療経過と内容

首の動きをみると、やや右側に後屈動作(首を後ろに傾ける)・右回旋動作(首をねじる)際に痛みと動きの制限がみられた。

 

そこで、頚椎を触診するとコリがあり、手の2ヶ所に鍼を行った。

 

すると、後屈動作・回旋動作がともに動きが改善され痛みが10→2減少した為、1診目を終えた。

 

2診目、前回の治療に加えて、首の前(胸鎖乳突筋)に緊張がみられたので足に鍼を行った。

 

直後、痛みが消失したので治療を終えた。

同時に治療した症状

肩こり

使用した主なツボ

列缺R 後鶏R 太衝R 胞肓R

考察

首の動きが悪くなることで、痛みが長く続いてしまった症例である。

動きの制限がとれるとすぐに痛みが減少し、治療回数が少なくても効果を上げることができた。

 

症例2 後方にある書類を持ち上げようとすると肩に痛みが走る 「インピンジメント症候群」

患者

女性 40代

来院

2017年9月

症状と来院理由

歯科衛生士を職業としていて、3カ月前から「後方にある書類を持ち上げようとすると右肩に痛みが走る」とのことだった。
整形外科を受診し、「インピンジメント症候群」と診断され、2週間に一度、注射とリハビリを受けているが痛みが改善されず、
このまま良くならなければ、医師から手術の必要性もある言われ、手術せずに良くなる方法がないかと友人に相談したところ
当院を紹介された。

 

治療経過と内容

右肩を外側に上げる動作についても痛みを訴えたのでカカト付近にあるツボに、鍼を打つ。
すると、横に腕を上げる動作の痛みが10→4に減少した。
後ろの物を取る動作を確認すると、痛みに変化はなかった為、肩の動きの起点となる足のツボと胸部前面を緩めるため足のツボに鍼治療を行うと
その痛みが10→8に減少したのを確認。1回目の施術を終了した。
4日後の2回目の治療で、「前回の治療後、日中は凄く楽で肩が動かしやすかったが、夜に痛みが強くなった。そして次の日は元の症状に戻ってしまった」との事だった。
そこで、炎症を抑える手のツボと脊柱にあるツボに鍼を行い、後は前回同様の治療を行なった。そして、治療した日は積極的に動かさせ過ぎず、徐々に当院で伝える「自分で行える肩の運動」をやるように指導した。
その後、病院の注射は併用しながら8回程、同様の治療を行ない、肩の痛みが無くなったとのことで治療を終了した。

同時に治療した症状

なし

使用した主なツボ

申脈R 志室R 足太陽R T2(1) T3(1) 後鶏R 地機R

考察

肩関節の障害は、脊柱の緊張が原因で起こることが多い。
脊柱が緊張することで肩の動きの連動性が失われ関節の動きがスムーズに行われなくなり、インピンジメント症候群が現れたと考え治療を行なった。

症例1 肩甲骨をエグりたくなるような痛み

患者

男性 50代

来院

2017年9月

症状と来院理由

 3ヶ月前から「肩甲骨をエグりたくなるような痛みを感じるようになり最近では肩も上がらなくなった」とのことだった。

 

経理の仕事をしており、1日中デスクでパソコンの作業している。

肩コリは昔からあったがここまでの痛みを感じたことはなく、3週間前から徐々に肩が上がらなくなった。

 

マッサージを受けたが、痛みは変わらず「病院に行っても痛み止めと湿布を出されて終わりだよ」と

職場の同僚に言われ病院には行かず

 

鍼も試してみたいと以前から知り合いだったこともあり、当院を受診した。

 

治療経過と内容

<1診目>

病院での検査は受けていなかったことから、頚椎と肩関節の徒手検査を行い、しびれなどの神経根症状がないことを確認。

首、肩から背中にかけてに熱を持っており、肩甲骨と脊柱の間を軽く圧しただけでも強い痛みを訴えている。

肩は上がりずらさと挙上時に痛みがある。

 

 

肩甲骨の動きに問題があると考え、関わりが強い仙腸関節の2ヵ所のツボと炎症を抑える手のツボに鍼を行った。

すると、熱がなくなり「楽になった感じがする」とのことだった。

 

次に肩の動きの起点となる腰と足のツボに鍼治療を行い

上がりにくさはあるものの痛みは消失した。

 

週2回の通院を提案。

 

<2診目>

1週後に来院され、「3日ほど痛みは軽かったがその後はもとに戻ってしまった」と話された。

首の動きをみると後屈動作(頭を後方へ傾ける)で動きの制限と痛みを感じたため、

後屈に関連する脊柱の緊張を緩める手のツボと首の前面を緩める足のツボに鍼を行った。

すると、動きと痛みが改善された。

 

<3~6診目>

週に1度で来院され、同治療を行い、背中の痛みはほぼなくなったが隠れていた首の痛みが強く現れるようになった。

そこで、手のツボを加えて治療を行った。

 

<7~11診目>

どの部分が痛いということはなくなったが、肩全体が重だるいということでお尻にあるツボの反応をみると緊張がみられた為、

鍼を行った。11診目で症状が出なくなったことを確認し治療を終えた。

 

同時に治療した症状

なし

使用した主なツボ

仙髎R、膀胱兪R、後鶏L、胞肓R、志室R、申脈R、曲池R、殷門LR

考察

長時間のデスクワークにより、仙腸関節に負担がかかり連動している肩甲骨の動きが悪くなってしまい、その影響が首から肩全体の緊張と痛みにつながったと考えて治療を行った。症状が重く仕事が忙しかったことから治療期間が長くなってしまった。